九州大学生活協同組合
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九大グッズ 「山川カレー」を開発します

味を決める投票12月9日 通常のカレーの値段で提供します。
場所 ビッグさんど1階  E-Café
投票のポイントは酸味と残った辛味です。2種類提供し、味を比べてもらいます。



1.開発のいきさつや特徴 

山川健次郎先生
山川健次郎先生
九大グッズ「カレー」の開発は、九州帝国大学初代総長の山川健次郎先生の事績が発端です。先生は、日本人で最初の理学博士で、東京大学(帝国大学の前)の日本人初の理学部教授です。東京帝国大学の総長(2度)・京都帝国大学の総長(兼任)・明治専門学校(現在の九州工業大学)の初代総裁の経歴を持たれています。  
九州大学(九州帝国大学)の初代総長であられた山川健次郎先生は、国民食ともいえるカレーライスについてのエピソードを持たれています。米国に留学する船上でライス・カレー(下記の文献記述)を食す試みをされたとされている記録があり、文書記録上では最も古いものとなっています。国会図書館に所蔵される以下の文献などに記録されています。
資料種別 図書
請求記号 377.6-Y289r
タイトル 山川老先生六十年前外遊の思出
タイトルよみ ヤマカワ ロウセンセイ 60ネンマエ ガイユウ ノ オモイデ. 
責任表示 山川健次郎 述 ; 武蔵高等学校校友会 編.
出版事項 東京 : 武蔵高等学校校友会, 1931

九大らしさのため、九大農学部が開発したBKシードレスを加えた、フルーティな山川カレーの開発を目指します。福岡の地で開校時の総長(総裁)を共有する九州工業大学での取り扱いも行います。

2.開発計画

@商品名は「山川カレー(仮称)」 テーマは「山川健次郎先生カレーは美味しいです」

A来年2月下旬をめどに商品を開発します。

一般のお土産カレーより廉価な価格をめざします。食堂メニューとしての開発を行います。
初年度は、確保できるBKシードレスの量があまりないため、それぞれ、1回程度の生産となるかもしれません。

九大生協

カレーの日本史

日本の国民食ともいわれるほど愛されているカレー。その歴史を振り返りながら、紹介します。

1853年 ペリー率いる黒船が浦賀に来航し開国を求める。
1860年 福沢諭吉が編集した辞書『増訂華英通語』の中でCURRYという言葉をコルリと紹介。
1863年 遣欧使節の三宅秀が船上でカレーに出会う。
幕末の混乱をおさめるため、フランスのナポレオン3世に助力を求めようと派遣された遣欧使節団のひとり三宅秀が、乗り合わせたインド人の食事風景を以下の通り記しています。「飯の上にトウガラシ細味に致し、芋のドロドロのような物をかけ、これを手にてかきまわして手づかみで食す。至って汚き物なり」
1870年 会津白虎隊の一員であった山川健次郎がカレーライスと出会う。
最初にカレーを食べた日本人として記録されているのは、会津藩白虎隊の一員であった山川健次郎という、当時16歳の少年でした。渡米する船内でカレーライスなるものに出会い、見慣れない食べ物であったカレーを食べる気になれず、ライスのみを食べたとも言われています。(彼は後に現在の東京大学、京都大学、九州大学などの総長を歴任しました。)
1872年 料理書『西洋料理指南』に、日本で初めてカレーの調理法が紹介される。
この本の中で紹介されているカレーの調理法では、赤ガエルを具材として紹介しています。「細かく切ったネギやしょうがなどをバターで炒め、水を加えて鶏肉、えび、赤ガエル等を入れて煮込み、さらにカレー粉を加えて煮込んだら、塩で味を調えて最後に水溶き片栗粉でとろみをつける」また同時期に刊行された『西洋料理通』でもカレーの調理法が紹介されています。
1876年 札幌農学校開校(現在の北海道大学)。寮の食堂メニューにライスカレーが登場。
「Boys be ambitious!」の名言で有名なクラーク博士が、生徒たちの体格の貧弱さを憂い、米飯偏重の食事からパン食への転換を提唱し「生徒は米飯を食すべからず。但し、ライスカレーはその限りに非ず」として推奨したとも言われています。
1877年 東京の食堂「風月堂」にライスカレーが登場。
もりそば1杯1銭ほどだった当時、風月堂ではカレー1皿8銭で提供されていたそうです。
1898年 石井治兵衛の『日本料理法大全』でカレーが日本料理として紹介される。
1904年 東京・早稲田の「三朝庵」でカレーうどん誕生。

※http://www.sbcurry.com/dictionary/japan/ からの引用
ヱスビー食品株式会社様からは使用・引用の許諾をいただいています

BKシードレス’3つの特長

BKシードレス

‘BKシードレス’は篠栗農場内果樹園において、1990年に‘マスカットベーリーA’ב巨峰’の交配によって得られた実生から選抜された品種です。2009年3月に農林水産省に品種登録出願し、2011年2月15日に品種登録公表されました。学生への実習教育の教材としての活用に加え、2010年度より実用化に向けた取り組みをはじめています。

特長1: 種子が無く食べやすい

‘BKシードレス’は遺伝的にほとんど種子を作りません。大粒・種子なしで、皮離れが良いので食べやすいブドウです。

特長2: 糖度が高く食味が良い

‘BKシードレス’は成熟すると糖度20度以上に達します。 また肉質はヨーロッパ系のブドウに特有な、噛み切りやすさ(崩壊性)を有しています。

特長3: 減農薬栽培・省力化が可能

‘BKシードレス’は遺伝的にほとんど種子を作らないため、ブドウを種子なしにするための作業が不要です。また摘粒(果粒の密着を防ぐための間引き作業)も必要ありませんので、早期に袋かけ(果実を雨や害虫、農薬の汚れから守るためのもの)をすることができるため、減農薬栽培が可能です。

Q: BKシードレスの「B」と「K」ってどういう意味?

A: ‘BKシードレス’の交配親の‘マスカットベーリーA’の「ベーリー」の頭文字からBが、同じく交配親の‘巨峰’の頭文字からKをとって「BK」となったのが由来です。シードレスは種子なしという意味です。
‘BKシードレス’の高品質果実は、「みつしずく」ブランドとして、福岡市内の百貨店で販売したことがあります。